光の向こうに

こころのつぶやき

七夕と星に願いを

今週のお題「星に願いを」

 

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スマホから「星に願いを」の一節が流れる。

慌ててスマホを手に取る。

大切な人からのメール・・・。

 

大切な人とお別れしてから2ヶ月になる。

その間に震災があり、引っ越しをした。

 

着信音を選ぶ時「どうか、ずっと続きますように」という願いを込めた。

どんな時でもこのメロディを聴くだけでふわっと気持ちが華やいだ。

 

私を支え続けてくれたこのメロディが鳴らなくなってから

たくさんの人たちが私を支えてくれていることに気づいた。

ロマンチックなメロディは、たくさんの思い出に変わった。

 

あなたは誰を思い出すのだろう。

何を願うのだろう。

 

誰もが安らかな気持ちで眠りに就けますように。

 

今また、揺れました。(大阪北部)

どうか、どうか、星に願いを。

どうなる?どうする?

彼と喧嘩をした。

 

神様に喧嘩を売ってしまったが、結局彼とは復活していた。

昔よりずっと和やかに、楽しくメールをしながら

デートの日を待っていた。

 

当日、わたしははしゃぎすぎた。

コスプレがしたくなってウイッグを着けてみた。

違う彼女を見て欲しいという気持ちと、一緒にいるところを誰かに見られてしまうとやばいと思う気持ちで。

 

「お~天使みたいやん(≧▽≦)」彼は言ってくれた。

その言葉が嬉しくて、楽しいデートができた・・・はずだった。

 

ところが。

 

次の日のメールで「カツラ、どうだった?」と聞いたら「わざわざ変装してくれたことが嬉しかった。何もしないお前がかわいかったよ」と返信が来た。

「あれ?天使みたいって言ってくれてなかったけ?」

「ごめん、あれ、言い過ぎた。喜ばせすぎたな~」

 

いやいやいやいやいや。

 

そこ、謝るとこじゃないでしょ。

 

違うでしょ。

 

喜ばせ過ぎって?

 

頭は真っ白。

 

かわいいって言ってくれたすべてが嘘に思えてきた。

「嘘でもいいからかわいいって言われたいんだけど」と書いたけれど

それには返事がいつまでも来なかった。

彼からは「好きだけじゃだめなん?」とひとことだけ。

 

占い師がこんなことを書いていた。

「自分の欲しい愛だけが愛だと思っていると受け取れませんよ」

そうかな?彼女の求めるものを「絶対にあげないぞ」って想われてることが愛だろうか?

何かが違う、何かがおかしい。

 

そして、思い切って今までの気持ちをぶつけてみた。

 

私が望むのは、メールで「かわいいよ」「愛してるよ」と書いてもらうことだよ。

って

 

それに対する返信が「考えて返事する」

 

それから、丸一日メールが途絶えた。

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天使に喧嘩うってもいいですか?

彼と別れて一か月。

 

なぜか、彼から一週間に一度メールが届くようになった。

 

わたしは嬉しかった。

 

普通に喜んだ。

 

そして、返事を書いた。

 

でも、どうしてこうなっているのかわからない。

復縁できるのかもしれないという望みを捨てきれなくなってきた。

 

冷静に考えたらわかること。

彼はもう、付き合う気はない。

わたしからメールしなければ終わるはず。

 

そして、ある日、「無料で天使のカード引きますよ」という企画にふと応募してみた。

 

そして願った。「彼とのことをお願いします」と。

 

すると、復縁とは無縁の言葉が送られてきた。

 

「ちょっと、待ってよ」

一瞬ひるんだが、心の中は穏やかではない。

思わず、怒ってるかのように呟いてしまった。

 

すると「お前なあ、いい加減やめろ」と心の中で声がした。

「え?」

 

「どうしてその恋をさせてやったと思ってるんだよ、小説を書くんだろ?最高の恋愛を書くために、最高の思い出が必要だったんだよ」

 

か、かみさま?てんしさま?

 

声は男性の声だが、姿は見えない。

 

いやいやいや・・・

そんなことに騙されないぞ。

だって、わたしはまだ、彼のことが大好きなんだよ。

 

 

「嫌だよ、わたしはまだ忘れないよ、復縁できるもんならしたいと思ってるよ。そんなに言うなら書いてやる。だけど、彼との仲をちゃんとしてよ!!!!!」

 

「・・・」

 

声は答えにつまったようだ。

 

わたしは、天使に喧嘩を売った。

 

さあ、どうなるかな。

 

 

 

彼女をクビになりました(1)

それは突然やってきたのでした

「もう別れよう」というメール

 

先週会ったばかりなのに

「いいデートだったね」とメールしてくれたところなのに

 

いったい何がどうなったのか

 

わからなくて

 

悲しくて

 

辛くて

 

毎日泣いていました

 

涙が枯れたころ

 

わかったのです。

 

「わたしは彼女をクビになったのだ」と。

 

会社をクビになったように。

 

泣いていても仕方ない。

自分と相性がよくて、通うのが楽しくなる会社を探すみたいに

もう次を探していいのだと気づいたのでした。

 

今までいた場所にありがとうを言うために

わたしは彼との想い出を

書こうと思います。

 

甘い甘い恋愛と別れのお話を。

誰かに届きますように。

 

 

月夜のメール

女の子は

スマホをずっと見つめています。

 

誰かわたしにメールをちょうだい

 

寂しくて寂しくてたまらないの

 

どうしたの?

 

お空のお月様が聞きました。

 

「彼がもうメールくれないの」

 

女の子は泣いていました。

 

長い間、女の子は彼とメールのやり取りを続けていました。

遠くに住んでいる彼との連絡は

メールしかなかったからです。

 

朝のおはようから

夜のおやすみまで

 

毎日毎日メールを送り続けていました。

彼も返事をくれていました。

 

けれど、ある日

「もうやめよう」というメールが送られてきたのです。

 

女の子はびっくりしました。

「どうして?」と送ると

「どうしても。もう無理なんだ」と返事がきました。

 

「嫌いになったの?」

「そうじゃないよ。でも、できないんだ」

 

 

その日を境に、メールは途絶えてしまいました。

 

夏が過ぎ、冬になってもメールは来ません。

 

女の子はメールを待ち続けます。

いつメールが来てもいいように

スマホを手に持ちながら。

 

 

お月様はずっと見ていました。

 

女の子の心が、少しずつ削られていくのを。

 

女の子が笑わなくなっていくのを。

 

 

雪が降りました。

今年初めての雪でした。

 

女の子の上に雪が舞い降りた時

スマホに雪がかかって画面が見えなくなりました。

 

どうしよう・・・

 

その時、女の子の中で、何かが動いたのです。

 

もうずっと、何も見えなかったこと

メールはもう来ないということが

やっとわかったのでした。

 

雪と一緒に、女の子の涙がスマホの上に落ちました。

はらはらと落ちました。

 

 

雪雲が去って、お月様が顔を出しても

女の子の涙は止まりません。

 

「どうしたの?」

 

「彼からメールが来ないの」

 

やっとお月様の声が聴こえたようでした。

 

 

ねえ、見てごらん。

私がそこに映っているよ。

 

 

お月様は女の子のスマホ

自分の姿を映し出しました。

 

びっくりした女の子は涙を止めて

スマホの中のお月様を見ました。

 

お月様は笑っていました。

「ほら、あなたの笑顔」

 

「違う、彼の笑顔よ!」

女の子はびっくりしてまた、泣き出しました。

思い出の彼の笑顔でした。

いつも彼女の横で笑っていた。

「もう会えないのに」

 

 

お月様は静かに言いました。

 

「これはあなたの笑顔だよ」

「あなたが彼を心から愛していたから、彼の前でいつも笑顔だったから

彼が笑顔になれたんだよ。彼が素敵に見えたんだよ。あなたが素敵だからそう見えたのだよ。」

「彼はあなたの鏡だったんだよ」

 

メールを喜んでくれた彼のこと

いつも笑顔でいてくれた彼のこと

女の子は全部全部思い出しました。

そして、それがすべて、女の子が自分で自分に与えていたプレゼントだったとわかったのでした。

 

「彼がいなくなっても、あなたはもう、笑顔になれる」

「だから、彼はいなくなったんだよ」

 

お月様は女の子に語りかけました。

 

 

女の子は、ようやく空を見上げました。

スマホはもう見ませんでした。

 

「ありがとう」

 

 

お月様がずっと女の子を見守っています。

女の子はもう寂しくありません。

スマホをかばんにしまって

歩き出しました。